農と漁の田万川町に「何か」を求めて!2000.05.21update

西堂寺六角堂観音
海を背にした西堂寺の観音様

「田万川町に赤玉ライスうどんを食べに行くぞ!!」・・・・いつものようにたろう隊長が突然 とっぴな発言を探険隊のメンバーにぶちまけた。
「・・・・あいかわらず訳のわからない探険だな。田万川町なんて行っても見るものがないじゃろうが?」 隊員達も疑問を隠せない。

山口県田万川町・・・・島根県との県境にある山口県の端の町だ。ハッキリ言ってこれと言った有名な観光名所もなく、地元民以外はまったくその実態を知らない「陸の孤島」である。島根県に抜ける国道191号線が町の中心部を通っているが みな立ち寄ることもなくさっさと通りすぎてしまうイメージが強い。

実は先日、たろう隊長は島根県に向かう際、途中この田万川町に新しくできた「道の駅・ゆとりパークたまがわ」に立ちより、先の「赤玉ライスうどん」なるものを食し、いたく感動したらしいのだ。さらに
「田万川には観光ガイドにも載っていない『柱状節理』という自然の芸術があるらしい」という秘密情報をもこの「ゆとりパーク」で仕入れてきたようだ。

「むう、ここまで何も知らない町が県内にあったとは・・・。やむを得ん、探索に行くか!」
  こうして我々は田万川町の探険に出動したのである!


まず我々が訪れたのは「道の駅・ゆとりパークたまがわ」である。ここは最近できた施設で「北長門コバルトライン」で一番北に位置する多目的パーキングエリアだ。島根県益田市手前の何もない長い道のりにぽつんとあるんでトイレに食事に また地元名産の買い物にと、けっこう盛況だ。朝市もあって 間違いなくここ田万川町で一番経済活動の盛んなエリアだと思う。

ゆとりパークたまがわこれが「道の駅・ゆとりパークたまがわ」
ゴールデンウイークということもあり人がごった返していたぞ。
休日だからか出店がいっぱいあってお祭り気分だ。

地元特産物や「ギョロッケ」「かまぼこ」などが頂ける。
田万川温泉
「道の駅」より程近い場所に
「地域活性化の切り札」としてオープンした
「田万川温泉・憩いの湯」
近くに海水浴場、キャンプ場、ゴルフコースなんかがあり、
釣り客なんかも気軽に利用できる。

詳しくはここをご覧下さい

ここに「赤玉ライスうどん」があるのだ。いきなり探険の核心を突くような場所だが「腹が減っては何とやら」というし、さっそく味見するとしよう。


グルメタイム

さて、「赤玉ライスうどん」だが、見た目はただの「月見うどん」である。で、味もただの月見うどんだ。ではなぜそんなうどんに田万川町が力を入れているかと秘密はその麺にある。
「ライスうどん」というネーミングどうり、このうどんは原料がである。先ほど「味もただの月見うどん」と書いたが、実は麺を噛んでいくうちに口の中にお米の味が広がると言うギミックが仕込まれている優れものだったのだ!そして「赤玉」とは殻の赤い卵(もちろん地元の養鶏場から調達されているのだろう)を使用していることが根拠となっているようだ。
・・・・そう、この「赤玉ライスうどん」こそ、田万川町が地元の農産業の振興のために編み出した目玉商品なのだ!!そんな大層なものかどうかは知らんが。

ライスうどん 彩食館たまがわ
上が「ホーレン草ライスうどん」280円也。
「赤玉」(280円)以外に「かけうどん」(250円)
「わかめライスうどん」(280円)、
そして わかめとホーレン草とイノシシの肉も入った
「猪ライスうどん」(写真・下 450円)がある。
その「ライスうどん」を販売する食堂。
「米消費拡大推進店」の文字が・・・・。
そのほかにも やはり地元の素材を使った
「りんごソフトクリーム」を たろう隊長は購入。

さて、腹もふくれた事だし、我々は次の目的地、「柱状節理」に向かうことにした。場所もこの「ゆとりパーク」で確認したし、準備は万端だ!!


この田万川という町はメインは「江崎地区」と呼ばれる漁港を中心としたエリアだが、実はそれは田万川町全体から見ればホンの一部で、191号を挟んで反対側は広大な山間部が広がっている。実は観光農園も盛んで海の幸、山の幸に恵まれた町なのだ。
目的の「柱状節理」は町の中心、江崎駅から何もない山道を車で20分かかる場所にあるらしい。191号線以外は県道、農道、私道、けもの道なんで地図を見ても何かハッキリしないルートだ。
我々はそんな田万川町の道のりを南下しながら目的地に向かう途中、広大な田園風景の中で燦然とそびえる石碑を発見した。

田万川の田んぼ 広大な田園風景。
ここで作られた米が「ライスうどん」になるわけだ。

「農魂」・・・実に素晴らしい響きだ!!
この2文字に田万川町民の心意気を感じ取ったぞ!
「農は国の基 人類の命の糧である食料を生産する農業は永遠に不滅でありさらに未来に向けてその農民魂のもとに生き続けなければならない」
これは平井(元)山口県知事による言葉らしい。
農魂の碑

こんな広大な田んぼの中にぽつんとあるんで結構目立つぞ。しかし心意気はしっかり感じ取ったが この石碑は何のために存在するのだ?いちおうパーキングエリアというか休憩所みたいな感じではあったが・・・。

さて、途中寄り道もしたが、ついに我々は噂の柱状節理、「龍鱗郷」に辿り着いた。
なぜここが我々さえ知らなかった秘境なのか?それはここが平成3年の道路工事で初めて発見された場所のため、県内でもその存在を知る人は少なく、観光案内にもあまり紹介されてはいないからだ。
目立たないところにあった解説の看板によると ここは3000万年前から10万年前までの幾度もの火山活動によって形成された玄武岩の柱状節理で地質学上、大変貴重な場所なんだそうな。つい最近 県の天然記念物に指定されたらしいぞ。「龍鱗郷」という名は地元の中学生が その形状と地元の神楽舞の蛇から連想して命名したらしい。
しかし切り開かれた農道の両脇にあるんで 意識して行かないと見過ごしてしまいそうだな。

龍鱗郷 龍鱗郷 龍鱗郷
これが「龍鱗郷」。段段になっている柱状節理の壁が農道を囲んでいる。 下から見るとこんな感じ。
写真で見るより地味なのでうっかりすると
気づかずに通りすぎちゃうぞ。

「・・・・・なんかイマイチだな・・・。」探険隊一同 誰もが心の中に浮かんだ禁句をあっさり口にしてしまう たろう隊長。 いや、確かにみんなそう思っていたんだが、それを言ってはモトも子もないだろうに・・・。とりあえず期待が過剰に大きすぎたんで 物足りない気持ちは正直なところだ。なにかこの埋め合わせになるようなロマンのあるスポットはないものか・・・?
地図を見ても山ばっかりで特に何もないが、ばら隊員が豆粒のような字で書かれた怪しげな場所を発見した。
「塚穴古墳」!・・・・「隊長、なんと古墳が田万川にはあるらしいぞ!!」
「うぷぅ!!それは行かねばなるまい!!時間も腐るほど余ったしな!!」  半分ヤケを起こしながらも新たなスポットを見つけた以上探険しなければなるまい。根っからのヒマ人だからな!それに「古墳」という響きになんとなくロマンが漂っているし。
地図上では龍鱗郷の東、島根県境にその古墳はあるらしい。早速車をを塚穴古墳に向けて発進だ!!


例によって地図上ではまともな太さでは表示されていない道をたどって行く探険隊一同。 しかし、普通は道路標識みたいな形で観光地は案内板があるのだが、ここ田万川町はそこまで力を入れるほどのスポットがないのか、ぜんぜんそういうものがないのだ。「だいたいこの辺りにあるはずなんだが・・・。」と探してもなかなかわからないぞ。
しょうがないんで少ない民家の近くで道を歩いていたオバちゃんに聞くことにした。
「あの〜、このあたりに古墳があると聞いて来たんですが・・・?」隊員の質問にオバちゃん、山のほうを指差して一言。
「古墳? ああ、あの穴のことかね?」・・・オバちゃんが指差す方をみると、確かに小高い丘の下にぽっかり穴があいていたのが確認できた。
近づいてみると確かにそんなような事を書いている白い表示がある。どうやらそうらしいな。さっそく近づいてみよう・・・。

塚穴古墳
塚穴古墳。・・・・これだけ。

「うわあ、(たったの)これだけか・・・・。」苦労して探し当てたものの、これは観光地として訪れるのはちょっと辛いかもしれん。これだけで周りに何もないんだもん。まあ、歴史ロマンの好きな人にはたまらんのかもしれんが・・・。余計なお世話かもしれんが田万川町は観光地とか文化遺産をもうちょっとわかりやすく解説するとか整備して客を呼んだ方が良いんじゃないのか?(ほんとに余計なお世話だ)
まあ、いちおう私の持っている秘密資料からこの「塚穴古墳」についての記述を載せておこう。
塚穴古墳・・・・・発見された土器から推定して6世紀頃築造されたとみられる横穴式石室古墳。石室を作るにあたってゆるい傾斜の上に土を置き、ほぼ平らにした上に大きな自然石を組み上げており、古代歴史のロマンを感じさせる・・・・・。」
・・・・だ、そうだ。 どうだ?わかったかな?


「山間部の探険はもうヤメじゃ!江崎に戻るぞ!!」 次なる我々の目標は 恐らく田万川で一番有名な観光スポット、「西堂寺六角堂である。
再び車を海側の江崎地区に走らせる一行。
ちなみに江崎地区には「須佐地古墳」なる古墳や 「なんでも願い事がかなう」というご利益の大きい「酒樽墓」なるスポットがあるらしい。実は西堂寺六角堂に向かう前にこれらの場所を探険するはずだったのだが、先に述べたように田万川町はまったく観光案内が発達してないので探しきれなかったのだ! 苦労して探し当てた「龍鱗郷」や「塚穴古墳」から想像するに、「探索の時間」と「得られた成果」が割に合わない可能性が高いと判断した我々は1時間余りの捜査でこれらの探険を打ちきったのだった。 実物を確認したかったのだが・・・ご容赦頂きたい。


港につくと、ここ田万川が漁業も盛んなことがわかる。整備途中の港から新しくできた立派な橋を見ることができるが、その橋を渡ったところに西堂寺六角堂はある。
別名、「浮島六角堂」 たしかに海に浮いているようにみえる。先の「ゆとりパーク田万川」はこの六角堂をイメージされて設計されたようだ。
なぜわざわざこんな六角形の形かと言うと 海からの風に耐えられるように設計されたため、ということらしい。

西堂寺西堂寺山門。
なぜ海にあるのに山門なのかは知らん。
六角堂
「浮島六角堂」という名前がよく合っている。
これは向かいの港に新しく出来た橋の上からの写真。
(でも隊員達は海に浮かぶクラゲをみて喜んでいたような・・・・。)

この西堂寺六角堂には悲しい物語がある。なんでも昔、使用人との許されぬ恋に落ちた鍋山長者の娘が海に身投げして自らの命を絶ったらしい。この六角堂はその娘の化身の菩薩を祭ったものと伝えられているそうだ。
子供の無病息災を祈願するとご利益のある子育て地蔵もあるらしい。
まあ、今のところ特にそんな悩みもないが とりあえず観音様と聞いたからには拝まずにはおれんだろう。早速手を合わせ観音堂を拝む隊員達。

と、突然 たろう隊長がぶつぶつと何か呟きだした。   「オン カ カ カ ビ サンマ エイ ソワカ〜」  
な、なんだ?!ついに気でもふれたか?前々からおかしいとは思っていたが・・・ 唖然とする隊員達に たろう隊長が一言。
「馬鹿やのう。あれを見てみい!!」
梵字
↑あれ

「お地蔵様の拝み方〜?」・・・どうやらそーゆー作法があるらしい。知らなかったぞ。
「まあ、俺は普段から研究しているんで、そのくらい見なくても言えるがな。はっはっは。」  むう、流石たろう隊長。こういうつまんないことについての造詣は誰よりも深いな。
親に「そんな事を覚えるヒマがあったら 英単語の1つでも覚えなさい!」といわれなかったのか? 
まあ郷に入れば郷に従えとも言うしな。素直に妙なサンスクリット語を6回唱える隊員達であった。

おまけ
観音せんべい 観音せんべい
西堂寺境内で販売されている「観音せんべい」。一つ50円。安い!

日も傾き始めて来たので 我々は最後にもう一度「ゆとりパーク」を訪ねてから 今回の田万川探険を終えることにした。
しかし、この田万川という町、素朴の一言に尽きる。
今回訪れた「ゆとりパーク」も最近出来たばかりだし、龍鱗郷も平成になって開発が進んだ結果 発見された場所なのだ。 そう、ハッキリ言って「手付かずの場所が多い」といえる。しかしそれは逆にいうとこれから新しいスポットが発見されるかもしれない可能性を秘めた町、とも言えるのではないだろうか。

せっかくの海や山の自然の宝庫なんだから、それを大事にして まさに「ゆとり」をテーマにした町作りをしてもらいたい・・・・。そんな思いを胸に探険隊は田万川を後にしたのだった!!!

一言メモ
ここを訪れる人のほとんどは立ち寄るであろう「ゆとりパーク」だが、ここを中心にした「温泉」「海水浴場」「キャンプ場」「ゴルフ場」などのレジャー施設が田万川のメインだ。
しかしまだまだ未開発なこの町は意外なスポットもあるのかも・・・。
今回、時間的、体力的に探険できなかったが、「やすらぎの森・宇生(うぶ) という自然公園があるらしい。私のもっている観光ガイドにも載っていない、ごく最近整備された公園で 56.7ヘクタールにも及ぶ広大な面積を誇るらしい。展望台からのスナップが田万川町のホームページに掲載されているが、なんか良さそうだ。時間があったら是非今度探険してみたいものだ。
そのほか、山側の小川地区の「武氏八幡宮」も町の文化財に指定されている神輿が保存されていたりするらしいぞ。

お土産としては 海産物(田万川は山陰地方有数の海苔の産地だそうだ)果物、山の幸のほかに、手間暇かけた上質な味わいとして有名らしい澄川本店酒舗の吟醸酒 「東洋美人」なんかは如何かな?

田万川町商工会HP  「新鮮王国・たまがわ」

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