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2005年01月23日

俵山温泉・白猿の湯

白猿の湯
山口県長門市俵山湯町
泉質 :アルカリ性単純温泉 PH 9.54 41.4℃
効能 : 神経痛、筋肉痛、関節痛、リューマチ、アトピー むち打ち症、疲労回復、他
料金 :大人700円 子供500円 ペット(小型犬)1575円~
営業時間 :AM7:00~PM9:00 無休

個人的オススメ度 ★★★☆

わしが温泉の魅力に目覚めてから せいぜい2年くらいしか経ってないから まだまだ全国の温泉マニアの方々から見たらヒヨッ子同然だろうな。 しかし あえて偉そうに言わせてもらうと 「山口県の温泉のベスト3」を選ぶとしたら 自信を持って長門の「湯本温泉」、徳地の「柚木慈生温泉」と並んで この「俵山温泉」を挙げたいと思う。「西日本屈指の湯治場」と言われる情緒といい、「西日本屈指のアルカリ泉」といい、唸るものがあったからな。
ただ わしの基準は「お湯」「情緒」「渋さ」が基本で 「設備の充実度」とか「レジャー性」というのはプラス@くらいにしか考えていないから 万人向けの評価ではなく あくまで「わしの個人的な意見」ということをお断りしておこう。

・・・・で、平成16年の12月に俵山温泉に新しく「白猿の湯」という立ち寄り温泉施設がオープンしたんで さっそく試してきたぞ。
俵山温泉には湯治のための旅館が数多くあるんだが ほとんどの旅館は内湯を持たず、湯治客は「川の湯」「町の湯」という2つの公衆浴場を目指して 温泉街を浴衣を着て下駄をカランコロンと鳴らしながら歩いていくのだ。 その独特の、昭和の初期を思い出させるような風情がこの俵山の最大の売り物といっても過言ではなかろう。
でも最近の温泉ブームで より多くの客を取り込もうと思ったら 銭湯のスタイルよりも よくあるレジャー型日帰りスパ施設の方がいい、という考えがあったんだろうな。これは一言で言えば俵山温泉に欠けていた「レジャー性」を重視して作られたものだと思う。

・・・・・・・前置きはこのくらいにしておいて、この「白猿の湯」の評価なんだが、これはあくまで わしの個人的な意見と言うか 独断と偏見であることを再度断っておこう。

お湯に関して言えば それはそれは素晴らしいもので非の打ちようが無い。100%掛け流しは確かに気持ち良いし 地下深く掘ったわけでもなくポンプで汲み上げるわけでもなく自噴している温泉は山口では非常に珍しい。お湯だけで言えば5つ。殆ど成分は変わんないと思うが わし的には同じくヌルヌル系の一の俣の湯よりも俵山の湯の方が好きだったりする。設備も最新の日帰り施設らしく 綺麗で気持ちいいし 特に建物の中にある喫茶店なんかは チラッと見た感じだとかなりいい雰囲気だと思う。

だが一番引っかかるのは この設備の存在意義というか、俵山には「川の湯」「町の湯」という情緒溢れる公衆浴場があるのに 何のためにあえてこういう建物を作ったのか その真意がイマイチ理解しかねるところにあるのだ。
もっと多くの観光客に来てもらいたい、俵山の湯のよさを知ってもらいたい、という客寄せパンダみたいな感じで作ったとしたら それはそれで良いと思うし、貸しタオル別料金(200円)で入浴料700円と言う ふざけた入浴料金設定にも ある程度は納得するのだが、俵山に温泉情緒を求めてやってくる人はこのような施設を望んでいるとは思えないのだ。少なくとも真面目に湯治してやろうとやって来た客は喜ばないだろ。

わしは俵山に立ち寄り温泉施設が出来るらしい、と言う話を聞いたとき、最初は旅館街から少し外れたところ・・・たとえば運動公園のある県道沿いに作ったとしたら 町の情緒も壊さずに俵山の湯を広くアピールできるし、興味本位でやってきたような無粋な観光客集団から 治療の目的で藁をもすがる思いでやってきた湯治客を引き離せるし、一石二鳥だなあ、と思ったんだが、まさか町の真ん中にのどかな雰囲気をぶち壊すかのようにこんな建物が出来るとは思ってもいなかったぞ。

オマケに自噴する湯量に限度があるのか 単にお客さんの流れを集中させて効率をあげようということか 人件費などの経費削減のためなのかはわかんないが、この「白猿の湯」が出来たおかげで 源泉を同じくする「川の湯」が昼間の営業をやめてしまい 夕方からのオープンだけになってしまった、と聞いて かなり愕然としたな。
確かにツウの湯治客は「川の湯」より「町の湯」を選ぶと言う話は聞いたことがあるから ほんとの湯治客は昼間はそちらを堪能すれば良いのかもしれないが 「2種類のお湯を選ぶ楽しみ」を湯治客から奪うようなことは”湯治の町”として名前を売っている温泉地がすることではないだろう。

自然湧出で両方の浴槽をまかなうだけの量が無い、というなら 別に「100%源泉掛け流し」にこだわる必要も無かったんじゃないか?温泉というのは「入ってナンボ」だと思うし ペット用の温泉施設まで完備しているのに人間様が入れないというのは余りにむごいぞ。 正直言って塩素をドバドバ入れない限り わしのような普通の客には「溜め湯」とか「時間で湯を振り分ける」というやり方でも湯の違いはわかんないと思うし いっそのこと資源節約のためにも循環させて加熱するのも一つの手だと思うが・・・。
最近の温泉ブームでは「掛け流し」という言葉が独り歩きしているような風潮もあるんで 湯の違いがわかるのかどうかは知らないが ブランドみたいな感じで「掛け流し」というだけで客が呼べる部分があるのも事実だろうな。

しかし客の増加を願っての策だとは思うが 情緒が売り物の俵山温泉で このような施設は諸刃の剣というか、今まで俵山温泉に愛着を感じていた人や 本当の温泉ファンなんかは離れていくんじゃないかと心配だな。夜に下駄を鳴らしながら外湯を入りに行くときに この施設の照明が町をコウコウと照らすよりは、電柱に裸電球がぽつんと点いていた方が癒されるんじゃないのか?

今さらだが もし俵山に「日帰りスパ」を作るとしたら 近くの熊野山とかに温泉街を見下ろすような感じで作れば良かったと思うぞ。もちろんお湯はポンプで汲み上げて加熱、半循環で十分だろう。本当に「掛け流し」にこだわる人は日帰りスパなんかには来ない、と ある程度見切っても問題ないと思うぞ。そして露天風呂は敷居を低くして温泉街を見下ろせるようにしたらいいんじゃないのかな?「白猿の湯」の露天風呂は 町の中にあるから柵が高いし、近くの山の上の方しか見えない。 むしろ露天ではないものの全面ガラス張りの「川の湯」のほうが眺めが良かったし、山に囲まれた俵山で一番見ごたえのある風景は鄙びた温泉街そのものだと思うから 「町を見下ろす露天風呂」は他の温泉地には余り見ない特徴があってインパクトもあると思う。

かなり辛口の評価になってしまうが 果たしてこれは俵山の地元の人は納得して作った施設なのかな?たとえば島根県あたりの温泉を巡ると良くわかるんだが 昔からの湯治場の地元民は「おらが村の温泉」を自慢しているし 使い方も良く考えている。商売ももちろん大事だが「よそ者はさておき、とりあえず自分達が子孫の代まで温泉と共に暮らしていく」ことを考えている場合が多い。たくさんの客に来てほしいと思う気持ちはわかるが 山に囲まれて世俗から良い意味で隔離された俵山温泉は「客を選ぶ」という資質がある 山口県では稀有な存在だと思うし NHKの「ふだん着の温泉」に紹介されるほどの名湯に何処にでもあるような日帰りスパは本当に必要だったのかな?

同じ長門市の湯本温泉の「礼湯」は老朽化のために最近新しく立て替えられたが 儲かっているかどうかは別として コンセプトを変えないでフツーの公衆浴場にしたのを見て、「地元の人が温泉文化を大事にしているなあ」というのが伝わってきたなあ。ソレを考えると なんかココは儲け第一で地元の意見はあまり反映していないような気がしてならないぞ。いっそのこと「川の湯」を同じコンセプトのままで改装した方が良かったんじゃないか?「コンセプトに沿っている」という意味では 同じ時期に出来た豊田町の道の駅の温泉施設の方が存在価値はあると思うぞ。

お湯の素材がズバ抜けて良いだけに なんか「世界遺産の白川郷に行って最新設備のホテルに泊まってきました」とか、「極上の松坂牛が手に入ったんで市販のルーでカレーを作りました」とかいうのとレベルは変わらないような気がするなあ。今はブームもあるし 新しいということもあるんで それなりの集客も見込めると思うが、10年後 20年後、あるいは温泉ブームが下火になるか ブームがもっと本物志向になったときに この施設の本当の評価が下されるんじゃなかろうか。
この「白猿の湯」は 温泉をレジャーとして楽しみたい人にはオススメだが、温泉に温泉本来の「癒し」とか「情緒」を求めるのならば わし的には「町の湯」か 夕方4時からオープンする「川の湯」に通うことをオススメする。
ただ「川の湯」は 地元の人や昔からの俵山ファンや湯治客が4時以降に集中してしまうだろうから ゆっくりと湯を堪能することが出来ない可能性も十分考えられるな。そう考えたら うまく日帰り施設と棲み分けが出来ている湯免温泉の公衆浴場か、長門湯本、あるいは一の俣温泉なんかに本物志向の客は流れるんじゃないかなあ・・・

仮に わしが「俵山」の地域活性化を図ろうとするならば 温泉とか街並の情緒はそのままにして(あるいは更に鄙びた雰囲気にして) 俵山のもう一つの資産である「麻羅観音」を全面に打ち出したことを考えると思うな。温泉街と秘宝館の組み合わせは珍しくも無いが 麻羅観音の由緒正しさは もっとアピールに力を入れたとしても全然不純な感じはないし ある程度の話題作りにもなると思うぞ。

そうそう、「白猿の湯」の露天風呂には寝そべってお湯を楽しめる「寝湯」があるんだが、水深が浅すぎて 寝転がると腹が水面から出るし 「♪つくしの子が恥ずかしげに顔を出します~♪」状態になるから 持ち物に自信がないと全然落ち着かないぞ。あれは何とかならないのか?
(04.12.27 記)

たんけん「麻羅観音編」
俵山温泉公式ホームページ

投稿者 BARA : 2005年01月23日 11:23

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コメント

お邪魔いたします。

「白猿の湯」ですか。岩手に住んでるんですが、そこにも同じ名前のお風呂があります。底が深いので立ったまま入る珍しいお風呂です。

歴史が古く源泉かけ流しのお風呂ですが、こちらの「白猿の湯」とは違うようです。

白い猿がこの湯に入っていたという伝説から名前がついたようですが、こちらの「白猿の湯」には何か名前の由来があるのでしょうか。

投稿者 ■温泉旅館の経営者が教える旅館選び■の松田 : 2006年03月06日 15:26

岩手にも良い温泉は山ほどあるんですよね~。また行きたいなあ・・・
ちなみに俵山温泉は「湯治湯として1,100年の歴史を持ち 薬師如来の化身だった白猿により発見されたと言われている」んだそうです。
「白猿の湯」というのは 最近できた今風の施設の名前なんで そちらのものとは趣というか根本が違うでしょうね。やっぱり。

でも俵山温泉そのものは なかなか情緒ある湯治場なんで いつか山口に来るような機会があればお立ち寄りくださいませ~。

投稿者 BARA : 2006年03月07日 23:24

鉛温泉ですね!いっぺん行ってみたいなあ。
雑誌で浴室の写真をよく見ますが、あれほどの雰囲気はなかなかありませんよねえ…。

投稿者 F.OWL : 2006年03月09日 23:58